
かつて行われた対局中の脳波を調べる科学的な実験の結果について、日本医科大学情報科学センターの河野貴美子氏は、「羽生氏の場合は、いわば座禅を組んで瞑想している高僧のような脳波が出ていると」と解説しています。
これは以前にも、このブログで取り上げた青柳氏の論文「将棋とイメージ思考」の中でも書かれていたことです。
今回の記事で面白いなと思ったのは、羽生氏は、通常のときはβ波が脳の左右対称にあるけれども、対局の中盤になるとβ波が右脳に移り、そのとき羽生氏は『イメージだけでやっています』という答えだったそうで、終盤になると、β波は左脳に移っていったそうです。
すなわち、将棋の中盤では右脳によるイメージ思考を駆使し、終盤になると、論理的な左脳を駆使しているといったかんじですね。
右脳と左脳を対局途中でギアチャンジして勝負をしているということは、真に強くなるには、右脳も左脳も鍛える必要があるということなのでしょうか。