
森信雄先生のブログの4ヶ月も前の文章ですが、感動したので、引用してご紹介します。
「少数精鋭主義というのが、私には抵抗感がある。自分が劣等生だったからでもないが、その人間の才能のあるなしなど、見切れる人間がこの世にいるはずがないと思っている。どれだけのエネルギーを将棋に注いでいるか、その結果は神のみぞ知るである。
ただ努力と言う言葉もあてにならない。自己満足で終わる脆さもあるからだ。
弟子を持つことは仕事のひとつと思っているが、仕事は常に危うさと無駄な労力の蓄積の面も多分にある。
私は弟子が強くなったからということだけで、うれしいと思ったことはない。苦労して実を結んだなあと思えたとき、心底よかったなあと思うのだ。
将棋の勝ち負けの結果だけでの人生なんてつまらない。でもプロを目指すのもプロになっても、将棋に真摯に向き合わないのは、もっとつまらない。そして自分が選ばれた人間などと勘違いせずに、普通の目線を持った人間でいてほしい。」