
※万が一不都合などありましたら削除いたしますのでご連絡下さい。また敬称を略していますこと、ご容赦下さい。
○ほとんどの勝負というものが、自分が勝つんではなしに相手が敗れる。相手が勝つんではなく自分が敗れるというものです。ということは手伝うということをやるわけです。
敗けるように自分が手伝ってしまう。こちらが勝てば、敗けるように向こうが手伝う。そういうところがあるものです。ひじょうにおもしろい。
○プロになりたてのころは、アマとの一番差がある部分は序中盤だと思っていたのだが、これはとんでもない間違いだった。(中略)
将棋に接する時間が多いプロとアマチュアの差が大きく出るのはこの部分のように思われるが、実際は「勝つことにかける執念」がプロとアマは全然違う、桁違いなのだ。
○イチローが、以前、こんなコトをいったそうです。
「アマチュアとプロの差はそれほどない。それよりもプロとプロの差のほうが遥かに大きい」
○プロになるためには、もちろん持って生まれた先天的なセンスや能力が大事だと思いますが、それ以上に必要なものがあると私は思っています。それは例えば、非常に難しくてどう指せばいいのかわからないような場面に直面したとき、何時間も考え続けることができる力。そして、その努力を何年もの間、続けていくことができる力です。
一言でいえば、継続できる力ということでしょうか。プロになる上では、先天的な頭脳の冴えというようなことよりも、その「継続力」が大事な要素になってくると思います。
○最近になってからよく考えることなのですが、十年前と今の自分とを較べてみて果たして強くなっているか、と思うことがあります。伸びているところもあるしそうでないところもありますが、総合的に強くなっているのではないかと思いたいものです。また、何がそれとは分からないのですが、将棋とは関係ないようなものにも将棋が強くなっていく上で大切なものがある、とも思うようになりました。